大学校長特別講座「おもしろ理数科」(第2回)開催

2022年6月22日

奥田孝一大学校長が、学生に難しくない理数科的なお話をする特別講座「おもしろ理数科」。第1回目に引き続き、第2回目を開催しました。

 

1 開催日時

令和4年6月22日(水) 16:15~17:00

2 開催場所

兵庫県立但馬技術大学校 本館2階 センター教室2

3 講師

兵庫県立但馬技術大学校 大学校長 奥田孝一

4 内容(趣旨)

まずは前回の復習から始まって、振動の話で終了となりました。高校時代の数学ではlog、sin、√などの関数が出てきて、数学が嫌になった、苦手になった生徒が多いですが、奥田大学校長からは、数式・公式の話は一切なく、現実の話とかみ合わせながらの説明がありました。

 

5 講座の様子

まずは前回の復習。関数の代表であるsin、cos、tanはすべて三角形の辺の長さと角度を対応づけるための記号のようなもの。そもそも、辺の長さは単位が「cm」、角度は単位が「°」と違うものです。

 

次に、長さ1の円の上を点がぐるぐると回ることとして、その点からまっすぐ下とまっすぐ左に直線を引きます。その点と円の中心とx軸との角度を「θ」、その時の高さ(y軸の長さ、垂直軸)をsinθ、x軸の長さ(水平軸)をcosθとしています。

 

実際に数値を入れたものが以下の表です。みなさん、三角定規を覚えていますか?2等辺の直角三角形と30°と60°の角度からなる直角三角形の2つが入ったやつです。これって、三平方の定理を使うと簡単に各辺の長さがでますよね。

角度θ 0 30 45 60 90 120 135 150 180 210 225 240 270 300 315 330 360
Sinθ 0 0.5 0.71 0.87 1 0.87 0.71 0.5 0 -0.5 -0.71 -0.87 -1 -0.87 -0.71 -0.5 0
cosθ 1 0.87 0.71 0.5 0 -0.5 -0.71 -0.87 -1 -0.87 -0.71 -0.5 0 0.5 0.71 0.87 1

これをグラフに落とし込んでいくと、このような感じに・・・。青い曲線(波形)がsinθで、赤い曲線(波形)がcosθ。この波形、正弦波と呼び、実は家庭にあるコンセントの電源の波形と同じなんです。あるいは、自動車の発電も同じ。磁石を使って回転運動により発電するからです。みなさん、オシロスコープという機械をご存知ですか。このオシロスコープを使えば、その波形を見ることができます。

 

今までは、横軸をθ=角度としてきましたが、これを時間とすると、1秒間に何回、この波形が出てくるかという周期となります。単位はHz。コンセントの電気、西日本では60Hz、東日本では50Hzとなっていますが、みなさん、ご存知ですよね。

 

次に振動のお話。振動をオシロスコープで見ると、とげとげの変わった形の波形になりますが、もとはこのsinθとcosθの波形からなっています。いろんな周期の波形の足し算が実際には行われて、固有の振動となっています。なので、例えば、車の振動が激しい場合、まずは、その振動の波形を最近のパソコンソフトで分析することで、どのような周波数が影響を及ぼしているかがわかり、そして、その原因を解消すれば振動は大きく抑えられるのです。

 

次回は7月13日(水)に開催します。是非、ご参加ください。

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