大学校長特別講座「おもしろ理数科」(第5回)開催

奥田孝一大学校長が、学生に難しくない理数科的なお話をする特別講座「おもしろ理数科」。6名の学生の参加を得て、第5回目を開催しました。

1 開催日時

令和3年10月26日(火) 16:15〜17:00

2 開催場所

兵庫県立但馬技術大学校 本館2階 センター教室2

3 講師

兵庫県立但馬技術大学校 大学校長 奥田孝一

4 講座の様子

前回の復習をかねて、確率の概念を使ったπ(パイ:円周率のこと)の求め方の説明から、講座がスタートです。

 まずは、辺の長さが1の正方形の中に、半径1の長さの円の1/4を描きます。そして、2回乱数を発生させ、X軸とY軸に当てはめます。その座標が円の中に入るか、外になるかを確認し、その確率で、πを求めます。何万回もこの作業を行えば、πの値が3.14…..というのがわかります。モンテカルロ法と呼ばれる手法です。

  

 次に、新しく開発されたワクチンの有効性についても、統計・確率的な手法を用いて検証されます。例えば、1000人ずつ2つのグループに分けて、開発したワクチンを与えるグループと偽物(プラシーボ)を与えたグループの感染者数を調べて判定します。

  

 今度は、蛍光灯の寿命の事例です。例えば、従来の製造法で作られた蛍光灯の製品寿命の平均は1190時間、その標準偏差は90時間であることが知られているとします。

  

 蛍光灯の長寿命化をねらって、新しい製造法を開発したとします試験的に100本製造した場合、100本の平均寿命が1230時間だったとします。このとき、新しい製造法は寿命延長の効果があると考えて、製造ラインを変えていいでしょうか?これにも統計・確率的な考え方が使われます。具体的には、正規検定という方法がよく使われます。

  

次回は11月16日(火)に開催します。微分・積分の意味・意義です。決して、微分・積分の計算方法ではありません。是非、ご参加ください。

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