大学校長からのメッセージ
ここ但馬は、兵庫県北部に位置し県土の4分の1を占め、豊かな自然・歴史・文化等に恵まれる広大な地域です。兵庫県立但馬技術大学校は、昭和58年4月に新たな高等教育訓練機関として、「高度化する技術革新に対応できる技術者を養成」及び「地域の生活の向上を図るための開かれた大学校」という建学理念の下で創設され、36年目を迎えました。この間、県内外の大学や民間から多くの著名な講師を招聘し、高度な資格取得に結びつく実践的な教育訓練に加え、在職者・離職者向けの各種職業訓練、地域住民に対する公開講座や技術セミナー等の事業を展開して参りました。
本校は、これまで自動車工学科、建築工学科、情報工学科及び機械制御工学科の4学科を擁し、主に高卒2年課程の教育訓練を実施してきました。しかし、第10次兵庫県職業能力開発計画を契機に、学科・課程の改編、学生定員の適正化やカリキュラム・学科名称の変更等を行いました。具体的には、情報工学科を1年課程の総合ビジネス学科に再編、機械制御工学科を機械工学科に名称変更、自動車工学科の定員見直し、建築工学科のカリキュラム点検・見直ししました。そして平成29年4月より、新しい4学科体制でスタートさせたところです。いずれにせよ、産業振興の推進力となる中堅技術者を養成するため、一般教養科目や専門基礎科目以外に多くの実技訓練科目を取り入れ、各種資格取得に向けた教育訓練を継続して実施します。
平成27年、本校は但馬地域をリードする豊岡市工業会との間で、連携協力に関する協定を締結しました。技術者の育成、求人情報の提供、インターンシップの受け入れやモノづくり啓発などを相互に連携協力することにより、但馬地域の産業振興の担い手となる若年技術者を育成し地域への定着を促進するとともに、モノづくりに係る知識・技能の向上に資することを目的としております。
このように本校は、建学の理念と時代の要請に的確に応えながら、「実践的な教育訓練を誇り得る大学校」「高度訓練・生涯教育の展開に貢献する大学校」「地域に生き全国に羽ばたく魅力ある大学校」を目指して参ります。既に2,600名以上の卒業生が但馬近郊や兵庫県下の有力企業を中心に活躍しながら、地場産業の振興と科学技術の発展に貢献しています。また、本校には立派な同窓会組織「豊但会」があり、多くの卒業生は本校のみならず地域の宝として各方面で活躍しています。
本校は、4年連続100%の「高い就職率」を達成しています。また、頑張り次第で豊富な「資格が取れる」、少人数の教育訓練で「指導が親身」、公立校で「授業料が安い」、コウノトリも住める「抜群の環境」という特徴を有しており、素晴らしい歴史と伝統を創っています。学生たちもさまざまな方面で頑張っています。例えば、建築工学科の学生は建築CAD検定試験において優秀な成績を修め、一般社団法人全国建築CAD連盟より「優秀団体賞」を受賞した実績があります。また、課外活動において自動車部は、フィリピンやシンガポールなど海外で開催される「シェル・エコマラソン・アジア」国際大会において毎年のように優秀な成績をおさめています。
今や人口減少と少子高齢化が進展する中、この但馬地域の活力を維持していくためには、地域の将来を考え地域とともに歩む人々の存在が不可欠であります。本校の特長を最大限に生かし、但馬地域から全国に情報発信できる大学校として、指導員ら職員一同が一丸となって学生の教育訓練及び支援業務に取り組んで参ります。関係各位の更なるご理解とご支援を賜りたく存じます。
(平成30年4月 豊岡学舎にて)
昭和62年3月 | 神戸大学大学院自然科学研究科生産科学専攻博士課程修了 |
昭和53年4月 | 神戸市立工業高等専門学校機械工学科講師・助教授を経て |
平成5年4月 | 姫路工業大学工学部助教授 |
平成8年7月 | 米国イリノイ大学へ 在外研究員(1年間) |
平成16年4月 | 兵庫県立大学大学院工学研究科 助教授 |
平成18年4月 | 同 大学院工学研究科 教授(現在に至る) |
平成22年4月 | 同 工学部 学生部長 |
平成24年4月 | 同 工学研究科評議員(24年度)・教務委員長 |
平成26年4月 | 同 学生副部長 兼 総合教育副センター長 |
平成28年4月 | 同 産学連携・研究推進機構副機構長 |
平成29年4月 | 兵庫県立但馬技術大学校長(現在に至る) |
日本機械学会フェロー、精密工学会フェロー、工学博士(神戸大学) 精密工学会関西支部長、砥粒加工学会関西地区部会長等歴任 |